「他と違うコメントを残したい」と思うと批判に走りやすく、そのせいでSNSが荒れる

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SNSでは「会話が続くほど」否定コメントが増えてくる

研究チームがまず注目したのは、SNS上の会話が長く続くにつれて、その内容が次第にネガティブ(否定的)になっていくのではないかという問題です。

SNSがネガティブになる理由としては、怒りや批判を含む投稿ほど人の注意を引きやすく、拡散されやすいことなどが以前から指摘されてきました。

しかし研究チームは、そこにもう1つの仕組みが存在すると考えました。

それが「他の人とは違うことを言いたい」という欲求です。

SNSのスレッドでは、最初の数人なら「面白いね」「すごいね」といった素直なコメントでも、それ自体が十分な発言になります。

ところが50人、100人と参加者が増えていけば、似たような意見はすでに誰かが書いています。

すると新しいことを言おうとした人にとって、

「でも、ここは問題では?」

「実はそれほど良くないのでは?」

「みんな褒めているけれど、自分は違うと思う」

といった否定的な視点が、まだ出ていない意見として選ばれやすくなるのです。

研究者らがこの予測を立てた背景には、ネガティブな情報のほうがポジティブな情報よりも表現の種類が多いという考えがあります。

たとえば何かを褒める表現には似た内容が多くなりがちですが、批判する場合には、欠点、危険性、例外、反対意見など、さまざまな方向から異なることを言えます。

さらに周囲が好意的なコメントばかりなら、否定的な意見を出すだけでも多数派から外れるため、他のコメントとの差が生まれやすくなります。

そこで研究チームは、会話が進んで独自の意見を出すことが難しくなるほど、人々は差別化の手段として否定コメントを選びやすくなるのではないかと予測し、実際のSNSデータを使って検証しました。

研究チームが分析したのは、2008~2022年のRedditに存在した2150のコミュニティに投稿された、約20億5000万件のコメントです。

すると、スレッドの後半に投稿されたコメントほど、内容が否定的になる傾向が確認されました。

50コメントまでを対象とした分析では、最初の5コメントのうち否定的と判定されたものは24.63%でしたが、最後の5コメントでは25.50%に増えていました。

たった50コメントという比較的短い範囲でも、後半になるほど否定的なコメントがわずかに増えているという傾向が実際に確認できたのです。

またコミュニティ単位の長期的な変化を調べたところ、62%のコミュニティでコメントがより否定的になる変化が確認されました。

ただこうした問題でよく言われるのが、世の中が悪くなった、社会全体が荒んできたことが原因じゃないかというものです。

実際この研究も2008年~2022年のコメントを調査しており、この期間に世の中も大きく変化しており、政治的な意見の分断も進んだという印象があります

そこで研究チームは、同じ期間に648の媒体から発表された491万本のニュース記事についても調査しました。

しかしニュース記事では、Redditと同じように時間とともにネガティブになる傾向は確認されなかったのです。

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