サバンナに浮かぶ「空島」に新種カメレオン
今回調査されたのは、モザンビーク北部にあるナムリ山、イナゴ山、チペロネ山、リバウエ山です。
これらの山は、乾燥したサバンナから急に盛り上がる花崗岩の山塊で、「インセルベルグ」と呼ばれます。
周囲は乾いた環境ですが、山の斜面や山頂では雲が引っかかり、雨や湿気をもたらします。
その結果、山の上には涼しく湿った森林が残り、まるで海に浮かぶ島のように、周囲から切り離された生態系が生まれます。
これが「スカイアイランド(空島)」と通称される環境です。
研究チームは2014年から2018年にかけて、これらの山を調査し、そこに生息するカメレオンの標本やDNAサンプルを集めました。
対象となったのは、ナジカンビア属(Nadzikambia)という樹林性カメレオンの仲間です。
この属のカメレオンは森林への依存度が高く、開けたサバンナや農地を自由に移動するタイプではありません。
そのため、山ごとの森林に閉じ込められるようにして、長い時間をかけて別々に進化してきた可能性がありました。
チームは、複数の遺伝子配列を比較し、さらに体の特徴も調査。
その結果、4つの山の個体群はそれぞれ遺伝的にまとまった独立の系統を作っており、既知種とも明確に区別できることが分かりました。
つまり、ナムリ山、イナゴ山、チペロネ山、リバウエ山には、それぞれ独自のカメレオン種がいたのです。
AとBは既知種のカメレオン、C〜Fが新種/ Credit: Tolley and Conradie, 2026 / Vertebrate Zoology / CC BY 4.0見た目が似ているため、外から眺めただけでは同じようなカメレオンに見えます。
しかしDNAは、それぞれの山の個体群が長いあいだ交雑せず、別々の進化史を歩んできたことを示していました。
これは、森林という似た環境に適応したため体つきは似たまま保たれた一方で、遺伝的には山ごとに分かれていったことを意味します。






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