ブロックチェーンで「福祉の一本化」米3州で2027年に実証開始

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この記事の要点

  • デジタル・アセットが州給付統合の実証を発表
  • 2027年に米3州で先行、Cantonを基盤採用

米3州で給付金をブロックチェーン管理

ブロックチェーン企業Digital Asset(デジタル・アセット)は2026年8月21日、米国の州給付金の配布を刷新する試験プログラム「RISE」を2027年第1四半期に開始すると発表しました。

この取り組みは、元米下院議長ポール・ライアン氏が創設した非営利団体American Idea Foundation(AIF)と共同で進められ、連邦政府の承認を前提に、まず3州で先行導入されます。

RISEでは、複数に分かれている州給付をまとめて管理するとともに、所得の増加によって受給者が不利になりにくい仕組みを導入し、就労と給付を両立しやすい制度への見直しを図るとしています。

こうした給付の統合や所得に応じた調整を実現するため、デジタル・アセットが開発したブロックチェーン「Canton Network(カントンネットワーク)」を基盤に採用し、給付条件の管理や資金の流れの記録に活用する方針です。

RISEの統合設計とカントンの役割

食費・育児・現金の給付を一本化

米国の福祉制度では、食費支援や育児支援などが別々のプログラムとして運用されており、受給要件や支払い日、報告義務もそれぞれ異なります。

こうした制度の分断は受給者の手続き負担を増やすだけでなく、所得の増加に伴って給付が減ることで働くほど受給面で不利になる場合があり、就労を妨げる要因の一つとされてきました。

RISEではこうした課題に対応するため、食費・育児・現金など用途ごとの条件を維持しながら、複数の給付を月1〜2回の支払いにまとめて管理するとしています。

そのうえで、世帯の所得増加に応じて給付額を自動的かつ段階的に調整し、収入が増えた際の給付減少を緩やかにすることで、就労に伴う給付面の不利益を抑える設計となっています。

カントンが資金の流れを自動で記録

発表によれば、RISEで複数の給付を一元管理しながら支給額を調整する仕組みを支える技術基盤として、デジタル・アセットが開発した機関向けブロックチェーン「Canton Network(カントンネットワーク)」が採用されています。

カントンネットワーク上では、給付金の用途制限や支払い条件、受給資格の確認などをスマートコントラクトで制御し、給付に伴う資金の流れを追跡できる監査記録も自動的に残すとしています。

州政府機関や非営利団体の支援担当者、独立した調査評価機関にはそれぞれ権限が設定され、取引や参加状況、コンプライアンスに関する情報へ必要な範囲でアクセスできる仕組みとなっています。

デジタル・アセットのユヴァル・ローズCEOは「こうした設計により、信頼できる参加者が機密情報を適切に管理しながら取引やルールを共有・調整できる」と説明しています。

成果を厳密に検証、新制度を実証へ

AIFのポール・ライアン代表は、州による新たな制度の試行が連邦レベルの改革につながった1990年代の福祉改革を引き合いに出し、RISEについても州主導で新たな仕組みを実証する意義を強調しました。

同氏は「分散している給付をまとめて就労に伴う不利益を減らし、その成果を厳密に検証することで、現代の社会保障制度に適した新たなモデルを示せる」と述べています。

3州で先行、成果を見て段階拡大へ

RISEでは、ブロックチェーンによる給付条件の管理と監査記録を組み合わせることで、行政負担の軽減や資金の流れの可視化を図り、給付制度の透明性向上や不正防止につなげるとしています。

ただし、RISEを実際に始動するには連邦政府の承認が必要で、先行導入する3州の名称や実施規模、対象となる給付プログラムなどは現時点で明らかにされていません。

デジタル・アセットとAIFは連邦政府の承認を得たうえで2027年第1四半期に3州で試験運用を開始し、その成果を検証しながら対象地域を段階的に広げる方針です。

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Source:Digital Asset発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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