極右政治家として知られるイスラエルのイタマル・ベン=グヴィル国家安全保障相が投稿した動画が、世界各国や国内からの批判にさらされている。
ベン=グヴィル氏は5月20日、パレスチナ自治区ガザに支援物資を届けていた「グローバル・スムード船団」に乗船していた活動家を拘束する動画をXに投稿した。
動画では、手を後ろで縛られた活動家たちがひざまずき、頭を床につけた状態で床に突っ伏している様子などが映っている。
ベン=グヴィル氏が通り過ぎる時に「パレスチナに自由を!」と叫んだ活動家は、頭を押さえつけられ、床に押し付けられている。
AP通信によると、ベン=グヴィル氏は、「イスラエルへようこそ。我々がここの地主だ」と大きなイスラエル国旗を振りながら主張。
「彼らは偉大なヒーロー気取りで誇らしげにここへ来た。今の姿を見てみろ。ヒーローでもなんでもない」と活動家を侮辱した。
海外から非難が相次ぐ
50隻以上の船からなる「グローバル・スムード船団」は5月14日、2007年から続くイスラエルの海上封鎖を突破してガザに支援物資を届けるために、トルコのマルマリスを出航した。
これに対しイスラエルは19日、キプロス島沖の公海上で同船団の船を拿捕し、乗船していた活動家を拘束した。
グローバル・スムード船団は、19日夜までにすべての船が拿捕されたと発表。乗船していた約430人が拘束されたと明らかにした。
同団体は、ベン=グヴィル氏が投稿した動画について、「私たちの活動家は海上で違法に拉致され、暴力的な虐待を受けている」と非難し、解放を求めている。
また、イギリスや、フランス、イタリア、カナダ、トルコ、ギリシャなどの国々も、ベン=グヴィル氏の動画に対する怒りを表明している。
イタリアのメローニ首相は、拘束された活動家たちへの扱いは「人間の尊厳に対する侵害」であり、ベン=グヴィル氏の動画を「容認できない」と批判。
イタリア人拘束者の即時釈放を要求するとともに、ローマ駐在のイスラエル大使を呼び出したと述べた。
カナダのアナンド外相も、イスラエル大使を呼び出すよう指示したと明らかにしている。
国内からも批判
AP通信によると、ベン=グヴィル氏は動画で、ネタニヤフ首相に拘束した活動家を長期間収監するよう求めているが、ネタニヤフ氏も国家安全保障相の行動を批判している。
ネタニヤフ氏は、イスラエルには「『ハマスのテロ支援者による挑発的な船団』を阻止する正当な権利がある」としながらも、ベン=グヴィル氏の言動は「イスラエルの価値観や規範に沿ったものではない」と批判した。
イスラエルのサール外相もベン=グヴィル氏の投稿を引用して「この恥ずべき見せ物によって、意図的にわが国に害を与えた」「あなたはイスラエルの顔ではない」と述べている。
ベン=グヴィル氏は、シオニズムを掲げる極右政党「ユダヤの力」の党首で、ネタニヤフ連立政権で国家安全保障相を務めている。
サール外相の批判に対し、ベン=グヴィル氏は「テロリストに屈している」と反発している。
一方、グローバル・スムード船団は、ベン=グヴィル氏の動画について、「これが、イスラエルがガザを世界から遮断するためにやっていることだ」と述べ、海上封鎖の終結を求めて連帯するよう世界に呼びかけるとともに、拘束された活動家らの解放を求めている。

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