アルトコインETF完全ガイド|ステーキング・バスケット型が登場【2026年最新】

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米SEC(証券取引委員会)が2025年9月に汎用的な上場基準を導入してから半年あまり、米国市場ではソラナ(SOL)、エックスアールピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)、ライトコイン(LTC)、ヘデラ(HBAR)の現物ETFが相次いで上場しました。2026年5月14日には市場構造法案「CLARITY法案」が上院銀行委員会を15対9で可決し、機関投資家の参入を支える法整備も最終局面に入っています。

日本経済新聞は2026年5月16日、SBI証券と楽天証券が金融庁の制度整備を前提に暗号資産投資信託の販売方針を固めたと報じました。同紙が主要証券18社に行った聞き取りでは、ほかに11社が販売検討の意向を示しています。

これに先立つ4月30日、JPX(日本取引所グループ)の山道裕己CEOはブルームバーグTVで、暗号資産ETFの東京証券取引所への上場について「早ければ来年中、現実的には2〜3年以内」との見通しを表明しました。

この記事では、米国に上場する全アルトコインETF、ステーキング型およびバスケット型という新たな商品設計、申請待ち銘柄群、日本投資家のアクセス手段と国内上場の見通しなどを網羅的に整理しています。

アルトコインETFとは|BTC・ETHから「次のフェーズ」へ

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アルトコインETFの定義と従来型ETFとの違い

アルトコインETFとは、ビットコイン(BTC)以外の暗号資産を裏付け資産とする上場投資信託(ETF)の総称です。証券取引所で株式と同様に売買され、保有にあたって仮想通貨取引所の口座開設やウォレットの自己管理は不要となります。

米国における仮想通貨ETFの起点は、2024年1月の現物ビットコインETF承認です。同年7月にはイーサリアム(ETH)現物ETFが続いたものの、以後およそ1年半にわたってアルトコインを裏付けとするETFの承認は途絶え、市場はBTC・ETH以外の銘柄について明確な道筋を欠いた状態にありました。状況が変わったのは2025年9月で、2ヶ月弱の間に5銘柄の現物アルトコインETFが米国市場に出そろっています。

ETFの構造は明快です。運用会社が裏付け資産となる現物の暗号資産を保有し、その価格に連動する受益証券を取引所に上場します。投資家は証券口座から売買するだけで足り、税務処理や相続手続きも既存の金融商品と同じ枠組みで完結します。仮想通貨取引所での現物保有とは設計思想が根本から異なり、機関投資家が暗号資産を組み入れる主要な経路として機能しています。BTC・ETHを含むETFの基礎については「仮想通貨ETFとは」を参照ください。

なぜ2025年9月以降に急速に承認が進んだのか

転換点は2025年9月17日です。SECが暗号資産ETF向けの汎用上場基準を承認し、ナスダック・NYSE Arca・Cboe BZXの3取引所は、個別審査を経ずに一定要件を満たすETFを上場できるようになりました。

新ルール下では上場審査期間は最大75日に短縮され、申請から取引開始までのリードタイムは大幅に圧縮されています。経緯は「米SEC、仮想通貨ETF上場承認プロセスを簡略化」に詳しい内容を掲載しています。

米Bitwiseは2025年12月18日公表の年次レポートで、2026年に米国で100本以上の仮想通貨ETFが誕生するとの見通しを示しました。ブルームバーグETFアナリストのジェームス・セイファート氏も同予測におおむね同意したうえで、申請中ファンドが126本を超える現状を踏まえ「2026年末から2027年にかけて、一部のETFが清算される可能性がある」と指摘しています。

米SECの「一般的な上場基準」導入による審査プロセス簡素化

SECが示した新基準では、Coinbaseなどの規制対象プラットフォームで6ヶ月以上にわたって先物取引が継続している暗号資産について、ETF上場の個別承認を不要とする要件が明示されました。ソラナ(SOL)XRPドージコイン(DOGE)といった主要アルトコインが、従来の個別審査を経ずに上場可能となる根拠となった条項です。

ブルームバーグETFアナリストのエリック・バルチュナス氏は、新基準確定前の2025年8月段階で、XRPなど主要アルトコインETFの9〜10月承認確率を85%と試算していました。実際の上場は予測に沿う形で進み、9月18日にDOGEとXRP、10月28日にSOL・LTC・HBARの現物ETFが米国市場で取引を開始しています。SECの公式情報はSEC公式サイトに掲載されています。

上場済みアルトコインETF一覧【2026年5月時点】

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2026年5月時点で米国市場に上場している現物アルトコインETFは、ソラナ・XRP・ドージコイン・ライトコイン・ヘデラの5銘柄を裏付け資産とする商品群です。発行体ごとに商品設計の幅は大きく、ステーキング機能の有無、レバレッジ運用の有無、運用手数料の水準で差異が生じています。以下、銘柄別に主要商品の概要と上場後の資金フローを確認します。

ソラナ(SOL)ETF — Bitwise BSOLが2025年最大ローンチ

ソラナの現物ETFは2025年10月28日に米国市場で取引を開始しました。Bitwise Asset Managementが提供する「Bitwise Solana Staking ETF(ティッカー:BSOL)」は、運用資産の100%を現物SOLに連動させつつ、平均7%以上のステーキング報酬を取得する設計です。

ステーキング処理にはヘリウス社の技術を組み込んだBitwise Onchain Solutionsが用いられ、初期段階では手数料0%のプロモーションも実施されました。商品概要はソラナ・ライトコイン・ヘデラ現物ETFが米国で取引開始に掲載しています。

BSOLはローンチ初週で約4億2,000万ドル(約650億円)の資金を集め、2025年の新規上場ETFとして最大規模のローンチとなりました。米Bitwiseが2025年12月16日に公表した年次レポートでは、米JPモルガンが「アルトコインETFは初の半年間で総額140億ドル(約2.2兆円)規模の資金流入を生み、うち60億ドル(約9,380億円)がソラナ関連製品に流入し得る」と試算した内容も紹介しています。

ブルームバーグのバルチュナス氏が2026年3月6日にXで報告したデータによれば、ソラナETFの2025年7月の上場以来の累計資金流入は約14.5億ドル(約2,300億円)に達しました。同期間にソラナ価格は57%下落しており、同氏はこの状況を「ETFで見られる限り最も不運なタイミング」と表現したうえで、「運用資産の50%が13Fファイラー(機関投資家)によるもので、堅固な投資基盤を意味する」と分析しています。商品の一次情報はBitwise公式サイトから確認できます。

XRP(エックスアールピー)ETF — REX-Osprey XRPRが先行

XRPの現物ETFは2025年9月18日、米シカゴのCboe取引所に上場しました。REX OspreyとOsprey Fundsが共同提供する「REX-Osprey XRP ETF(ティッカー:XRPR)」は、純資産の80%以上をXRP現物およびXRP価格連動デリバティブに投資する設計で、初日の取引高は約3,770万ドル(約59億円)を記録しました。

新規ETFの初日出来高は100万ドル未満にとどまるケースが多く、これと比較すれば突出した数字です。バルチュナス氏は自身のX投稿で「驚くべき堅調さ」と評価しています。XRPRは1940年投資会社法(40 Act)に基づく構造を採用しており、SECの正式承認を待たずに先行ローンチされた事例として位置づけられています。

ドージコイン(DOGE)ETF — ミームコインで初の現物ETF

ドージコインの現物ETFも2025年9月18日、XRPRと同日に米国市場で取引を開始しました。REX Ospreyが提供する「REX-Osprey DOGE ETF(ティッカー:DOJE)」は、米国市場で初のDOGE価格連動型ETFであり、初日取引高は約1,700万ドル(約25億円)に達しました。

DOGE関連の上場投資商品はその後も増加が続いています。Grayscale Investmentsの「Grayscale Dogecoin Trust ETF」は2025年11月24日にニューヨーク証券取引所で取引を開始し、21Sharesが2025年11月20日に発表した「21Shares 2x Long Dogecoin ETF(ティッカー:TXXD)」も2倍レバレッジ商品としてNASDAQで取引を開始しました。2026年1月にはドージコイン財団公認の「21Shares Dogecoin ETF(ティッカー:TDOG)」もナスダックに上場しています。

ライトコイン(LTC)ETF — 老舗銘柄の制度化

ライトコインの現物ETFは2025年10月28日、SOL・HBARと同日に米国市場へ上場しました。発行体のCanary Capitalは「Canary Litecoin ETF(ティッカー:LTCC)」を提供しています。同社CEOのスティーブン・マクラーグ氏は、この上場を「今年の仮想通貨業界における新たな節目」と位置づけました。

2011年に登場したライトコインは、ビットコインのコードをベースにブロック生成時間を2.5分へ短縮し、決済用途に最適化されたチェーンです。マクラーグ氏は「セキュリティと信頼性において確かな実績を持ち、企業向けユースケースでも広く活用されてきた」点を挙げ、SEC登録済みの公的金融商品として機関投資家がLTCにアクセス可能になった意義に言及しました。

ヘデラ(HBAR)ETF — 機関向け台帳の上場

ヘデラ(HBAR)の現物ETFも2025年10月28日に上場しました。Canary Capitalが提供する「Canary HBAR ETF(ティッカー:HBR)」は、Hedera Networkのネイティブトークンを裏付け資産としています。ヘデラはブロックチェーンとは別系統の「ハッシュグラフ」と呼ばれる分散型台帳技術を採用しており、ガバナンス評議会にはGoogle、IBM、Boeingといった企業が名を連ねています。

これら5銘柄の単独ETFに加えて、SECは2025年9月25日にHashdex社の「Nasdaq Crypto Index ETF(NCIQ)」の拡大も承認しました。同ファンドは従来のBTC・ETHに加えてXRP・SOL・ステラルーメン(XLM)を組み入れる構成へと移行しています。経緯は米SEC、Hashdex ETFにXRP・ソラナ・ステラ組み入れを承認に掲載しています。

「ステーキングETF」と「バスケット型ETF」の登場

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2025年9月以降に上場したアルトコインETFは、ビットコイン現物ETFとは商品設計の方向性が異なります。注目すべき設計上の変化は二つあります。保有のみで利回りが付くステーキングETFと、複数の暗号資産をひとつのファンドで追跡するバスケット型ETFの台頭で、いずれも機関投資家の運用ニーズを反映した設計となっています。

ステーキングETFの仕組みと約5%の追加収益

ステーキングETFは、運用会社が保有する暗号資産現物をネットワーク上でステーキングし、得られた報酬を投資家に分配する商品設計です。前提となるステーキングは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)型ブロックチェーンにおいてバリデーター(取引承認者)の役割を担うためにコインをロックし、その対価としてネットワーク報酬を受け取る仕組みを指します。

代表例が、前述のBitwise Solana Staking ETF(BSOL)です。資産の100%をステーキングに供することを目標とし、平均年率7%以上のステーキング報酬を投資家に還元する設計が組み込まれています。ETF保有者は証券口座から購入するだけで、ソラナの価格上昇期待とステーキング報酬という二重の収益源を取得できる仕組みです。

ビットコイン現物ETFはBTC自体がステーキング報酬を生まないため、収益源は価格変動のみに限定されてきました。これに対しソラナETFは「価格+利回り」の両軸で収益を生むため、債券や配当株とポートフォリオ内で競合する性格を帯びます。CoinPostがまとめたデータによれば、ソラナETFの一部には保有のみで約5%の追加収益が見込める設計が組み込まれており、利回り商品としての側面が強まっています。

Grayscale CoinDesk Crypto 5(GDLC)など複数銘柄バスケット型

バスケット型ETFは、複数の暗号資産を一つのファンドで追跡する商品です。Grayscaleが2025年11月3日に発表した「Grayscale CoinDesk Crypto 5 ETF(ティッカー:GDLC)」は、ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・XRP・カルダノ(ADA)の5銘柄を時価総額加重で追跡する構成です。発表経緯は今後数週間でアルトコインETFが大幅増加?Grayscaleが承認予想11銘柄のリスト公開に掲載しています。

バスケット型の特徴は、個別銘柄の選定とリバランスを運用会社に委ねながら、主要アルトコイン全体に分散投資できる点にあります。機関投資家には、暗号資産インデックスへの長期エクスポージャー手段として位置づけられます。

米Hashdexの「Nasdaq Crypto Index ETF(NCIQ)」も2025年9月25日にXRP・SOL・XLMを追加組入する形で拡大しており、バスケット型の選択肢は広がりを見せています。Grayscaleの商品ラインナップはGrayscale公式サイトに掲載されています。

既存ETFが現物設定・償還へ移行する動き

SECは2025年7月29日、暗号資産現物ETFの現物による設定・解約を容認する命令を採択しました。それまでBTC・ETHの現物ETFは現金ベースでの設定・解約のみが認められており、運用会社は投資家から受け入れた資金で都度、暗号資産を売買する必要がありました。この制約が運用コストを押し上げる構造的要因として指摘されてきた経緯があります。

現物による設定・解約が解禁されれば、ETF運用会社は投資家から現物の暗号資産を受け入れたり、解約時に暗号資産を渡したりすることが可能となり、売買コストが圧縮されます。NRI野村総合研究所の分析によれば、この命令以降、既存ETFが現物設定・解約可能なタイプへ移行する動きが現れています。アルトコインETFはこの現物設定・解約方式を前提に設計されており、運用効率の面で従来型ETFを上回る構造を備えています。

申請中の銘柄と今後の承認見通し

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SECの新基準導入を契機に、米国市場では仮想通貨ETFの申請が積み上がっています。ブルームバーグのセイファート氏の集計によれば、2026年5月時点で申請中のファンドは126本を超え、対象銘柄は主要アルトコインから新興銘柄まで多岐にわたります。以下、申請待ちの主要銘柄と、運用大手による承認見通しを確認します。

90件以上の申請待ち — ADA・DOT・AVAX・LINK・BNBなど

2026年5月時点で申請中の主要銘柄には、カルダノ(ADA)、ポルカドット(DOT)アバランチ(AVAX)チェーンリンク(LINK)BNBが含まれています。CoinPostがSEC公開資料とSoSoValueのデータをもとに集計した数値によれば、2025年11月時点の申請件数は90件以上に達し、REX-Ospreyだけで21銘柄を一括申請するなど、運用会社側の動きが加速しています。

バルチュナス氏は2026年中の承認見通しについて、SOL・XRP・LTCの承認確率を75〜95%と試算しました。アルトコインETF市場全体では、今後12〜18ヶ月で50億ドル以上の資金流入を見込むアナリスト分析もあり、ソラナだけでも3〜6億ドルの追加流入が予想されています。

Grayscaleが予想する11銘柄承認リスト

Grayscaleは2025年10月31日に公開したレポートで、「米SECの新基準適用により、今後数週間でアルトコインに投資できる上場投資商品(ETP)の数が大幅に増える見込み」との見解を示し、承認可能性のある11銘柄のリストを公表しました。同社が列挙した11銘柄は次の通りです。

カテゴリー 対象銘柄
レイヤー1ブロックチェーン カルダノ(ADA)、ポルカドット(DOT)、アバランチ(AVAX)
大手取引所トークン BNB
オラクル・インフラ チェーンリンク(LINK)、ヘデラ(HBAR)
決済・送金 ライトコイン(LTC)、ステラルーメン(XLM)、ビットコインキャッシュ(BCH)
ミームコイン ドージコイン(DOGE)、シバイヌ(SHIB)

このうち上場済みはLTC・HBAR・DOGE・XLMの一部(バスケット組入)にとどまり、ADA・DOT・AVAX・LINK・BNB・SHIB・BCHの単独現物ETFは申請待ちの段階にあります。Grayscaleは同日に「Grayscale CoinDesk Crypto 5(GDLC)」も発表しており、バスケット型と単独型の双方で承認獲得を狙う戦略を採っています。

アナリスト予想 — 12〜18ヶ月で50億ドル超の流入見込み

米Bitwiseが2025年12月18日に公表した予測では、2026年中に米国で100本以上の仮想通貨ETFが誕生する見通しとなっています。SEC新基準により発行体が共通ルールのもとで商品を上場できるようになった環境変化が、予測の根拠とされています。

一方で、過剰供給に対する警鐘も鳴らされています。バルチュナス氏とともにETF分野を担当するセイファート氏は、「2026年末から2027年にかけて、一部のETFが清算される可能性がある」と指摘しました。2019年にSECが株式ETFで類似の規制緩和を実施した直後、新規ファンド数が急増した後に小規模ETFの閉鎖が相次いだ前例があり、仮想通貨ETF市場でも同様の淘汰局面が想定されています。

日本投資家のアクセス手段と国内ETF上場の見通し

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日本の投資家がアルトコインETFに直接アクセスする手段は、2026年5月時点では限定的です。米国上場ETFは原則として国内証券会社では直接購入できず、海外証券口座の利用や海外取引所を介する必要があります。国内では金融庁による制度整備が進み、SBI証券・楽天証券をはじめとする主要証券が暗号資産投資信託の販売準備に入っています。

海外証券口座経由でアルトコインETFを購入する方法

米国上場アルトコインETFを国内から購入する場合、選択肢は大きく3つに整理されます。第一は、米国株式の取引が可能な国内証券口座を利用する方法です。一部の国内証券では海外ETFの取扱範囲を拡大しており、米国市場上場の主要ETFを購入できる場合もありますが、アルトコインETFが取扱対象に含まれるかは証券会社ごとに異なります。

第二は、海外証券会社の口座を直接開設する方法です。Interactive Brokers Securities Japanなどが日本居住者向けにサービスを提供しており、米国市場のETFへ直接アクセスできます。第三のルートは、欧州市場に上場している類似のETP(上場取引型商品)を経由する方法です。

2026年4月10日には21Sharesがドージコイン・スイ(SUI)・ハイパーリキッド(HYPE)など9本のETPをドイツ証券取引所のクセトラ(Xetra)に追加上場し、欧州経由のアクセス手段が拡充されました。詳細は「DOGE・SUI・HYPEが「証券口座」で購入可能に」で掲載しています。

SBI・楽天など主要証券が仮想通貨投信の販売準備

日本経済新聞は2026年5月16日、SBI証券と楽天証券が金融庁による制度整備を前提に暗号資産投資信託の販売方針を固めたと報じました。同紙の主要証券18社への聞き取り調査では、野村・大和・SMBC日興・みずほ・三菱UFJモルガン・スタンレー・松井・マネックス・三菱UFJ eスマート・岡三・東海東京・岩井コスモの11社も、制度詳細が固まり次第販売を検討する意向を示しています。報道内容は「証券口座で暗号資産投資へ、SBI・楽天が販売方針」に掲載しています。

SBIホールディングスは2025年7月31日の決算説明会で、国内初の暗号資産ETF構想を発表しました。組成を予定するのは、ゴールド連動ETFと暗号資産ETFを組み合わせる「SBI Fund of 暗号資産ETFs」と、東京証券取引所への上場を想定する「SBI・ビットコイン/XRP ETF」の2種類で、金融当局の認可取得後に市場投入する方針が示されました。

資産運用業界の動きも進展しています。2025年11月18日には、野村アセット・SBIグローバルアセット・大和アセット・アセットマネジメントOne・アモーヴァ・三菱UFJアセットの大手6社が、暗号資産対応の投信開発を検討していることが明らかになりました。SBIグローバルアセットは、BTC・ETHに連動するETFや複数の暗号資産を組み合わせた投信の組成可能性も検討対象に含めています。

JPX山道CEO「早ければ来年中」暗号資産ETF国内上場検討

JPX(日本取引所グループ)の山道裕己CEOは2026年4月30日、ブルームバーグTVのインタビューで、ビットコインを含む暗号資産ETFの東京証券取引所への上場を検討していることを明らかにしました。山道CEOは「法改正が整えば早ければ来年中、現実的には2〜3年以内の実現を見込んでいる」と述べ、資産運用会社からも暗号資産ETF商品の組成に対して「強い関心」が寄せられていると説明しました。

一方、JPX総研は2026年4月3日、暗号資産を主たる資産として保有する企業について、TOPIX(東証株価指数)をはじめとする定期入替対象指数への新規追加を当分の間見送ると発表しました。対象は暗号資産の保有割合が総資産の50%を超える企業で、メタプラネットなど近年急拡大したビットコイン財務戦略型上場企業が含まれます。

詳細は「仮想通貨保有企業「TOPIX新規追加」を見送りへ」に掲載しています。

金商法改正・税制改正がETF国内解禁の前提に

国内での暗号資産ETF解禁には、規制と税制の両面で制度改正が前提となります。政府は2026年4月10日、暗号資産を金融商品として規制する金融商品取引法の改正案を閣議決定しました。法案が今国会で成立した場合は2027年度中の施行が見込まれており、登録業者の名称も「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」へ改める方向で制度整備が進められています。

税制面でも具体的な道筋が示されています。2025年12月26日に金融庁が公表した令和8年度(2026年度)税制改正大綱の主要項目では、暗号資産ETFについて「投信法施行令の改正を前提に組成可能」と明記されたうえで、暗号資産の現物取引や暗号資産ETFから生じる所得を株式や債券と同様に一律20%の申告分離課税の対象とする方針も盛り込まれました。

制度移行後は、現行の最大55%にのぼる総合課税から一律20%の申告分離課税へと切り替わる見通しで、個人投資家にとって税制面のハードルは低下します。法案の最終的な内容や施行スケジュールは金融庁公式サイトに掲載されています。

アルトコインETF投資のメリット・リスク・税制

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アルトコインETFは、現物の暗号資産を保有する場合と比べて、投資家側のメリットとリスクの構造が異なります。証券口座から購入できる利便性と引き換えに、運用会社のカストディに依存する設計上の特性も併存しています。判断材料となる主要な論点を以下に整理します。

メリット — 証券口座から購入可能・税制上の扱い

アルトコインETFのメリットの中心は、仮想通貨取引所の口座開設やウォレットの自己管理を行わずに対象銘柄へ投資できる点にあります。証券会社の既存口座から株式と同じ手順で売買され、相続や税務処理も既存の金融商品と同じ枠組みで完結します。秘密鍵の管理リスクが発生しない点は、機関投資家・個人投資家の双方にとって実務上の利点となります。

税制面の優位性も明確です。米国上場ETFに国内から投資する場合、譲渡益は申告分離課税20.315%の対象となります。一方、現物の暗号資産を取引所で売買して得た利益は雑所得に区分され、給与所得などと合算した総合課税の最高税率55%が適用される現行制度との差は無視できません。前述のとおり、令和8年度税制改正大綱では暗号資産ETF・現物の双方を申告分離課税20%の対象とする方針が示されており、制度移行後はこの差が解消される見通しです。

ステーキング機能を組み込んだETFの保有にも、構造的な優位性があります。ETF発行体がネットワーク上でステーキングを実行し、その報酬を投資家に分配する設計のため、投資家自身がバリデーター運用のノウハウや技術的準備を整える必要はありません。個人投資家にとって参入障壁が高かったステーキング報酬への参加が、ETFを介してアクセス可能となっています。

リスク — ボラティリティ・運用コスト・カストディ依存

アルトコインETFの主要なリスクは3つに整理されます。第一はボラティリティで、ETFは裏付け資産である暗号資産の価格に連動するため、現物保有と同水準の価格変動リスクを負います。前述のソラナETFの事例では、上場後の半年間で原資産が57%下落する局面を経験しており、購入時点で短期的な値下がり耐性を見極める必要があります。

第二は運用コストです。ETFは運用会社が経費率(expense ratio)として年率0.2〜2%程度を継続的に徴収するため、長期保有では複利的に運用成績を押し下げる要因となります。BSOLのように当初手数料0%のプロモーションを実施するファンドもありますが、プロモーション終了後は通常の経費率が適用される設計です。

第三はカストディ依存です。ETFでは運用会社が指定するカストディアン(資産管理会社)が裏付け資産の暗号資産を保管します。投資家自身が秘密鍵を管理する自己保管とは異なり、カストディアンのセキュリティ体制や事業継続性に運用結果が左右されます。Coinbase Custodyなどの大手カストディアンが利用されるのが一般的ですが、運用会社の破綻リスクやカストディアンのハッキングリスクは、現物自己保管とは異なる形で残存します。

「ETFを買う」vs「現物を買う」の使い分け

両者の使い分けの基準は、投資目的と保有期間に応じて整理されます。証券口座を主な投資基盤としており、年金口座(iDeCo・NISA)など税制優遇制度の枠内で運用したい投資家にとっては、ETFが現実的な選択肢となります。ステーキング・レンディング・DeFi利用といった暗号資産特有のユースケースに直接参加したい場合は、現物保有が前提となります。

保有期間の観点も判断材料となります。長期保有ではETFの経費率が累積する一方、現物保有はウォレットの管理コスト(紛失・盗難リスクへの対応)が継続します。短中期の値動きを取りに行く取引では、手数料体系が比較的シンプルな現物が向く場面もあります。現物の暗号資産を新たに購入する場合は仮想通貨の始め方仮想通貨取引所の比較を参照ください。

機関投資家層の動向も判断材料となります。Bitwiseが2025年3月にローンチした「Bitwise Bitcoin Standard Corporations ETF(ティッカー:OWNB)」は、1,000枚以上のBTCを保有する企業で構成されるETFで、暗号資産を企業財務戦略として組み込む動きを投資家がETF経由で取り込める設計となっています。商品概要は「ETF「OWNB」をローンチ」に掲載しています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. アルトコインETFは日本の証券口座で買えますか?

A. 2026年5月時点では、米国上場のアルトコインETF(BSOL・XRPR・DOJEなど)を国内主要証券会社で直接購入することはできません。海外証券会社の口座開設や、米国株式の取扱範囲を拡大している国内証券の利用が必要となります。SBI証券・楽天証券は2026年5月16日付の日本経済新聞報道で、金融庁が制度整備を進める暗号資産投資信託の販売方針を固めたと伝えられており、国内証券口座経由でのアクセス手段が拡充される見通しです。

Q2. ステーキングETFを保有すると報酬は自動的に受け取れますか?

A. ステーキング機能付きETFを保有する場合、運用会社がETFの裏付け資産をネットワーク上でステーキングし、得られた報酬がETFの基準価額に反映される設計が一般的です。投資家側で個別にステーキング操作を行う必要はありません。Bitwise Solana Staking ETF(BSOL)は、運用資産の100%をステーキングに供することを目標とし、平均年率7%以上のステーキング報酬を還元する設計となっています。

Q3. 日本国内で暗号資産ETFが上場する時期はいつ頃ですか?

A. JPXの山道CEOは2026年4月30日のブルームバーグTVインタビューで「法改正が整えば早ければ来年中、現実的には2〜3年以内の実現を見込んでいる」と述べました。金融商品取引法の改正案は2026年4月10日に閣議決定済みで、施行は2027年度中の見込みです。税制面でも令和8年度税制改正大綱で暗号資産ETFの組成可能化と申告分離課税適用が明記されており、制度的準備が進行しています。

Q4. アルトコインETFと現物の暗号資産、税金はどちらが有利ですか?

A. 2026年5月時点では、米国上場アルトコインETFの譲渡益は申告分離課税20.315%、現物暗号資産の利益は最高55%の総合課税(雑所得)となるため、ETFが税制面で有利です。ただし、令和8年度税制改正大綱では現物暗号資産も申告分離課税20%の対象とする方針が示されており、制度移行後はこの差が解消される見通しです。税務処理の詳細は仮想通貨の税金・確定申告を参照ください。

Q5. バスケット型ETFは個別ETFと比べてどちらが有利ですか?

A. バスケット型は複数銘柄への分散投資が一括で実現され、個別銘柄の選定・リバランスを運用会社に委ねられます。特定銘柄の値上がりを集中的に狙う局面では、単独銘柄ETFのほうが値動きを直接反映する商品設計となっています。GDLCは時価総額加重で5銘柄を追跡する構造のため、BTC・ETHの比重が高くなります。アルトコイン集中投資の場合は個別ETF、暗号資産全体の市場成長を取りに行く場合はバスケット型という使い分けが基本となります。

まとめ

2026年5月時点で米国市場に上場する現物アルトコインETFはSOL・XRP・DOGE・LTC・HBARの5銘柄で、Grayscaleが承認可能性を示した残り7銘柄(ADA・DOT・AVAX・LINK・BNB・SHIB・BCH)の上場も視野に入っています。Bitwiseは2026年中に米国で100本以上の仮想通貨ETFが誕生すると予測しており、ステーキング機能付きETFやバスケット型ETFの登場によって商品設計の選択肢が拡大しました。

日本国内では、SBI証券・楽天証券をはじめとする主要証券13社が暗号資産投資信託の販売準備に入り、金商法改正は2027年度施行が見込まれるとともに、税制も申告分離課税20%への移行が大綱で明記されています。JPXの山道CEOが2026年4月30日に「早ければ来年中」の国内上場検討を表明したことで、国内ETFの実現時期が具体性を帯びてきました。

アルトコインETFは、現物の暗号資産と比較して証券口座からのアクセス、税制上の扱い、ステーキング報酬の自動還元といった利便性を備える一方、運用会社のカストディに依存する構造や経費率の継続的な負担というETF特有のコストも併存します。投資判断にあたっては、保有期間・投資目的・税制環境を総合的に勘案する視点が必要となります。

サムネイル:AIによる生成画像

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