
この記事の要点
- アルゼンチン政府、仮想通貨を資本市場へ全面統合する法案を起草
- 証券トークン化・仮想通貨担保・ファンド投資を一括解禁へ
アルゼンチン、仮想通貨を資本市場へ全面統合
アルゼンチン政府が仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーンを資本市場に全面統合する規制緩和法案の草案を作成したことが明らかになりました。
草案では、有価証券のトークン化や投資ファンドによる仮想通貨投資、仮想通貨を担保資産として認める制度などを盛り込み、資本市場へのブロックチェーン導入を進める方針を打ち出しています。
金融取引や資産運用における仮想通貨の活用範囲が大きく広がる内容となっており、法案が成立すれば、ブロックチェーンを活用した資本市場への移行が本格化する見通しです。
若年層中心に仮想通貨普及が加速
証券トークン化・担保・ファンドを一括改正
有価証券のトークン化を全面解禁
草案では、資本市場法(第26.831号法)に新たな第3条bisを追加し、DLT(分散型台帳技術)を用いた有価証券の発行・保管・移転・売買を全面解禁する内容となっています。
同条は、トークン化された有価証券の中央証券預託機関への預託義務を免除するとともに、CNV(証券委員会)に登録されたPSAV(仮想資産サービスプロバイダー)を通じた取引も認めています。
また、PSAVが運営するDLT基盤のプラットフォームを「その他の認可取引場所」と位置付け、CNVの監督下で有価証券の上場・取引を担える枠組みも設けています。
有価証券の定義を定める第178条にも、株式や社債などがDLTで発行・登録された場合は従来の証券と同等に扱う旨が明記されており、監督面では第191条がBCRA(中央銀行)とCNVの管轄を区分しました。
仮想通貨を融資担保に、スマコンにも法的効力
トークン化と並ぶもう一つの柱が担保の分野で、動産担保制度を改正する第108条は、担保設定の対象に「仮想資産(Activos virtuales)」を知的財産権や株式などとともに明示しています。
この規定が施行されると、仮想通貨の保有者は資産を売却することなく融資の担保として金融機関に差し入れられるようになり、保有しながら資金を調達する道が開かれます。
執行面でも、第122条が裁判所によるPSAVへの資産凍結命令や債務者への秘密鍵引き渡し請求を規定しており、仮想資産については24時間以内の対応が義務付けられています。
担保制度を支える技術面では、第106条がスマートコントラクト(契約条件を自動執行するプログラム)やDLTを用いた担保契約に完全な法的効力を認めるとしています。
投資ファンド経由の仮想通貨投資を解禁
投資の入り口も広がる見通しで、投資信託法(第24.083号法)を改正する第272条は、オープン型ファンドの運用対象資産に「CNVの規則が定めるその他の金融性資産・契約・投資」を加えています。
CNVが関連規則を整備すれば、同国の個人投資家も投資ファンドを通じて仮想通貨へ間接投資できるようになるほか、受益証券自体もDLTで発行できるようになります。
Pixがアルゼンチン上陸
ミレイ政権の規制緩和が加速、上院提出へ
ミレイ政権は2023年12月にビットコインなど仮想通貨の契約利用を認めたのに続き、2024年3月にはCNVがPSAVの登録制度を創設するなど、段階的に仮想通貨関連の制度を整えてきました。
今回の草案はそこからさらに踏み込み、資本市場法・動産担保法・投資信託法を一括改正する内容に加え、行政・競争分野で6ヶ月間の緊急事態を宣言し、権限を行政府へ委任する条項も含まれています。
現地経済紙El Cronista(エル・クロニスタ)は、法案が数日以内に上院へ提出される見通しとしつつ、幅広い分野の調整が必要になるため議会審議は簡単には進まないと伝えました。
有価証券のトークン化や仮想通貨の担保利用といった中核部分が原案のまま維持されるかどうか、今後の上院審議の行方が注目されます。
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Source:アルゼンチン規制緩和法草案
サムネイル:AIによる生成画像

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