内側がプレスチック製のケトルを使うと、ナノプラスチックが入り込む可能性
近年、マイクロプラスチック汚染は海だけの問題ではなくなっています。
ペットボトルや食品包装、まな板など、私たちが日常的に使う製品からも微細なプラスチック片が放出されることが分かってきました。
特に最近は、さらに小さい「ナノプラスチック」が注目されています。
一般的にマイクロプラスチックは1マイクロメートル以上の粒子を指します。
一方、ナノプラスチックはそれよりさらに小さく、髪の毛の太さと比べればはるかに小さな粒子です。
研究者たちが懸念しているのは、この小ささです。
比較的大きな粒子は体外へ排出されやすい可能性がありますが、ナノサイズになると、生体膜や細胞との相互作用が起きやすくなる可能性が指摘されています。
今回、研究チームが注目したのは家庭用のプラスチック製ケトルです。
これがどの程度ナノプラスチックやマイクロプラスチックを放出しているのかを調査しました。
ここで重要なのは、今回の研究対象が「外側だけプラスチックのケトル」ではない点です。
対象になったのは、ポリプロピレン製の内壁を持つケトルでした。つまり、お湯が直接触れる内側部分に樹脂が使われているタイプです。
研究では、オーストラリアで販売されていた新品のポリプロピレン製ケトル8台を購入。
そして実際の家庭に近い条件で、1.1リットルの水を入れて何度も沸騰させました。
その後、沸かした水を回収し、電子顕微鏡や粒子解析装置など、複数の分析技術を組み合わせて粒子を調べています。
さらに研究チームは、1回目、5回目、10回目、50回目、150回目など、複数の使用段階で水を回収し、放出量の変化を追跡しました。
その結果、新品のケトルでは、最初の沸騰時にナノプラスチックとマイクロプラスチックの放出量が多いことが分かりました。
あるケトルでは1mlあたり、約1200万個のナノプラスチック粒子が含まれていました。
一般的なティーカップ1杯に換算すると「数十億個規模の粒子になる」可能性があります。
そして興味深いことに、放出量は使用回数が増えるにつれて急激に減少しました。
では、なぜ新品時に特に多く放出されたのでしょうか。より詳細な結果は次項で見ていきます。








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