
この記事の要点
- Kraken運営元がMagic Labsのウォレット事業を買収
- 取引・保管・ウォレットを1社で提供する体制へ
Payward、6,000万ウォレットの基盤を取得
米仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)を運営するPayward(ペイワード)は2026年7月27日、Magic Labsのウォレット事業を買収する最終契約を結んだと発表しました。
今回の買収により、Paywardは6,000万を超えるウォレットの作成と100億ドル(約1.6兆円)超のステーブルコイン取扱高を支えてきたウォレット基盤を取り込み、企業向け事業の拡大を図るとしています。
取得したウォレット事業は、同社が企業向けに展開するB2B(企業間取引)基盤「Payward Services」へ統合され、取引・カストディ(資産の保管)・ウォレットを一体で提供できる体制となる見通しです。
一方、事業を売却するMagic Labsは社名をNewton Labs(ニュートン・ラブズ)へ改め、取引前に本人確認やコンプライアンスを判定する認可レイヤー「Newton Protocol」の開発へ経営資源を集中させる方針を示しています。
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統合で変わる企業向けサービス
TEE鍵管理で守るウォレット基盤
ウォレットの受け皿となるPayward Servicesは、Krakenを15年にわたって支えてきた取引・カストディ・入出金の仕組みを、企業が1つの接続口から使える形で開放してきました。
そこへ加わるMagic Labsの基盤は、特許出願中のTEE(信頼実行環境)鍵管理システムで鍵を守り、利用者がシードフレーズを自分で管理せずにウォレットを持てる設計となっています。
こうした仕組みを自社へ取り込む狙いについて、Paywardで最高商務責任者を務めるマーク・グリーンバーグ氏は「組み込み型ウォレットは、あらゆるオンチェーン製品の基盤インフラになりつつある」と述べました。
また同氏は、取引所・カストディ・ウォレットを一体で提供することで、企業は複数の提供元を組み合わせる必要がなくなるとの認識を示しています。
社名変更、認可レイヤーに集中
買い手がウォレットを取り込む一方で、売り手のMagic Labsは主力だったウォレット事業を切り離し、Newton Protocol(ニュートン・プロトコル)の開発へ一本化する方針を示しました。
このプロトコルは、取引前にコンプライアンスやリスク管理の方針を適用し、その結果を誰でもオンチェーン上で検証できる認可レイヤーとして設計されているといいます。
Newton LabsのCEOであるショーン・リー氏は「この移行によって我々はNewtonに全力を注げるようになり、ウォレット事業は顧客に尽くすと約束したチームへ移る」と述べました。
同社は2018年の設立以来、組み込み型ウォレット基盤を手がけてきた企業で、PayPal VenturesやDCG、CoinFundなどが出資者に名を連ねています。
1社完結で調達できる企業向け基盤
Paywardは通例の完了条件を満たしたうえで数週間以内に手続きを終える見通しで、完了後はウォレット技術をPayward Servicesの製品群へ組み込む方針を示しました。
統合後は、パートナー企業が取引・カストディ・ウォレットを1社から調達し、自社アプリへブロックチェーン機能を組み込めるようになるとしています。
同社は、組み込み型ウォレットを取引やカストディ、ステーブルコイン決済と並ぶ基盤技術として捉えており、企業向けサービスへの統合を進める計画です。
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Reap買収に続く拡張と今後の体制
Paywardはウォレット事業に先立ち、2026年5月7日にReap Technologies(リープ・テクノロジーズ)を最大6億ドル(約980億円)で買収する契約を結び、決済機能の拡充も進めてきました。
この手続きは2026年7月1日に完了し、カード発行や国際送金、ステーブルコインでの資金管理がPayward Servicesの提供範囲へ加わりました。
数週間以内とされる手続きの完了後、Paywardはウォレット機能をPayward Servicesへ統合し、Reap買収で拡充した決済機能とあわせて企業向けサービスを提供する方針です。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.77 円)
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Source:Payward公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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