Coldcard欠陥で「BTC被害183億円」に拡大|鍵の乱数が5年間脆弱に

1 日前 1

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この記事の要点

  • Galaxy報告:Coldcard攻撃で200人超・183億円のBTC被害
  • ファームウェア欠陥で乱数強度が低下、シード移行が急務

200人超がBTC盗難被害、総額183億円

Galaxy Research(ギャラクシー・リサーチ)は2026年8月16日、ハードウェアウォレット「Coldcard(コールドカード)」を狙った攻撃で、ビットコイン(BTC)の被害額が1.15億ドル(約183億円)を超えたと公表しました。

被害者はすでに200人を上回っており、同社は盗難資金の追跡や当局への届出を支援するとともに、被害を受けた利用者にはアレックス・ソーン氏へ直接連絡するよう呼びかけました。

攻撃の起点となったとみられるのが、開発元のCoinkite(コインカイト)が2021年3月に配布したファームウェアの欠陥で、古い機種ではシードのエントロピー(乱数の強度)が大きく低下していたとされています。

この欠陥を突いた攻撃は2026年7月末から複数回にわたって続いており、被害規模はその後の調査で段階的に拡大しています。

Coldcard欠陥の技術的背景と被害規模

7月末から4波の攻撃で184億円流出

ブロックチェーン分析企業TRM Labsの調査によると、攻撃は2026年7月30日から少なくとも4回にわたって発生し、5,200超のアドレスから合計約1,816 BTC(1.16億ドル/183億円相当)が流出しました。

この規模は2026年に発生した仮想通貨(暗号資産)ハッキングとして3番目に大きく、TRM Labsによると、同年に確認された276件の被害総額は12億ドル(約1,910億円)を超えています。

各攻撃でトランザクションの構成が異なることから、Galaxy Researchは複数の攻撃者グループが関与した可能性を指摘しており、現時点では攻撃主体を特定できていないとしています。

旧機種でシードの乱数強度が大幅低下

一連の攻撃を可能にしたのはファームウェアの欠陥で、コインカイトによると、Mk2・Mk3向けのバージョン4.0.1〜4.1.9では、シード生成時にハードウェア乱数生成器ではなく擬似乱数生成器へ処理が戻る不具合が生じていたといいます。

その結果、本来128ビットあるべきシードのエントロピーが古い機種では約40ビットまで低下し、攻撃者がオフラインで秘密鍵を割り出せる水準になっていたとTRM Labsは分析しています。

Mk4・Mk5・Qでも修正前のバージョンではエントロピーが約72ビットにとどまっており、古い機種ほど深刻ではないものの、設計上の128ビットを下回っていたことをコインカイトは明らかにしています。

組織的洗浄なし、休眠資産が標的

こうして流出した資金の大半は少数の攻撃者管理アドレスに集約されており、盗難後の資金洗浄(ロンダリング)は限定的な動きにとどまっているとTRM Labsは分析しました。

これまでに確認されたロンダリングは、64.9 BTCのWasabi(ワサビ)への入金と200 ETHのTornado Cash(トルネードキャッシュ)への送金に限られています。

TRM Labsはこうした資金の動きについて、北朝鮮系のTraderTraitor(トレーダートレイター)にみられる迅速かつ組織的な資金移動とは異なるパターンだと指摘しています。

標的となった資産にも特徴があり、盗まれたコインには長期間動いていない休眠資産が多く、Galaxy Researchのデータでは長期保有者の資産が優先的に狙われていた傾向が確認されています。

新しいシードへの移行が不可欠

被害の拡大を受けてコインカイトは、Mk3向け4.2.0以降、Mk4・Mk5向け5.6.0以降、Q向け1.5.0Q以降の修正済みファームウェアを公開しました。

ただし、影響を受けたバージョンで生成したシードはファームウェアを更新しても安全性が回復しないため、該当する利用者には新しいシードへの移行が必要になるとしています。

このため同社は、更新後のデバイスで新しいシードを作成し、少額のテスト送金で正常に受け取れることを確認してから、残りの資金を移すよう利用者に求めました。

一方、シード生成時に50回以上の独立したサイコロの目を入力していた場合は128ビット以上のエントロピーが確保されるため、この方法で作成されたシードは脆弱性の影響を免れるとコインカイトは説明しています。

被害の全容解明と資金回収へ

今回の事件を受け、TRM Labsは自己管理(セルフカストディ)でもリスクそのものがなくなるわけではなく、デバイス本体に加えてファームウェアやエントロピー生成の安全性を検証する必要があると指摘しました。

被害者への対応も進められており、Galaxy Researchは盗難資金の追跡や当局への届出を支援するとともに、正式に被害を届け出ることで資金を取り戻せる可能性が高まるとの見方を示しています。

盗難資金の大半は現在も少数のアドレスに残っており、コインカイトは事件の原因究明に向けてファームウェア欠陥の正式な技術レビューを予告しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.40 円)

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Source:Galaxy Research X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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