BTC下落「三重苦」でも基盤は健全|CZ氏が長期成長に自信示す

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この記事の要点

  • CZ氏、BTC下落の要因に「地政学・AI・4年周期」を指摘
  • 業界基盤の悪化は否定、CLARITY法案や予測市場にも言及

「業界の成長は続く」CZ氏が下落を分析

2026年6月27日、仮想通貨取引所Binance(バイナンス)の創業者チャンポン・ジャオ(CZ)氏は、米CoinDeskのインタビューで、2026年前半の仮想通貨市場の下落について、単一の要因ではなく複数の要因が同時に重なった結果だとの見方を示しました。

ビットコイン(BTC)は2026年初頭に約8万9,000ドル(約1,440万円)で取引を開始し、一時は9万6,000ドル台(約1,550万円)まで上昇したものの、その後は下落基調へ転じ、記事執筆時点では約6万ドル(約970万円)前後で推移しています。

2025年10月に記録した12万6,000ドル(約2,038万円)の過去最高値からは約50%下落しており、バイナンスの事業環境にも影響が及ぶなか、CZ氏は今回の調整を業界のファンダメンタルズ悪化ではなく、市場サイクルと資金フロー変化が重なった局面と位置付けています。

同氏は「簡単な答えはない」と述べたうえで、仮想通貨(暗号資産)を含む金融技術への需要は今後も拡大を続けるとの見方を示し、短期的な価格変動よりも業界全体の成長を重視する姿勢を強調しました。

仮想通貨市場・規制・政治をめぐるCZ氏の見方

下落を招いた3要因と長期の見立て

CZ氏は、2026年前半の仮想通貨市場が軟調に推移した背景として、まず中東情勢をはじめとする地政学的な緊張を挙げ、投資家のリスク回避姿勢が強まったことで、仮想通貨市場から資金が流出したとの認識を示しました。

加えて、AI(人工知能)をはじめとする新興分野へ短期的な投機資金(ホットマネー)が流れたことも相場の重しになったと指摘しており、さらに過去の相場で繰り返されてきた約4年周期の循環も重なったことで、今回の下落局面が形成されたと説明しています。

一方で、AI分野へ資金が向かう流れそのものについては長期的に前向きに捉えており、新たな産業が成長すれば経済全体の取引量が増え、その恩恵が巡り巡って仮想通貨市場にも及ぶとの考えを示しました。

こうした見方の背景には、自身の資産の多くが基軸通貨ビルドアンドビルド(BNB)に紐づいている事情もあるとし、バイナンスの業績はビットコイン価格の動向と密接に関係していることも認めています。

予測市場は「人々にとって良いこと」

CZ氏は、近年急速に利用が広がる予測市場についても言及し、「人々にとって良いことだ」と評価したうえで、価格発見機能と市場の流動性を高める役割を果たすとの見方を示しました。

予測市場の普及によって、さまざまな出来事がより直接的に価格へ反映されるようになり、市場参加者の判断材料としても機能し得ると説明しています。

ギャンブル的な側面があることは認めながらも、それは株式や為替など他の金融市場にも共通する性質だとし、投機家の存在が流動性を支えている点には一定の意義があると述べました。

法案成否より業界の長期成長を重視

規制をめぐる議論では、CZ氏は米国で審議が続く市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」にも言及し、大統領を含む政府高官の倫理条項などが整理されれば、年内に成立する可能性があるとの見通しを示しました。

ただし、同氏はCLARITY法案を含む個別の法案について「重要だが戦術的なもの」と位置付けており、仮想通貨産業全体の長期的な成長を左右する中核的要因ではないと述べています。

その理由として、米国ではすでにステーブルコイン規制法「GENIUS法」を成させており、多くの国がこれを参考に同様の制度整備を進めていくとの見方を示しました。

仮に米国で市場構造法案の成立が遅れても、各国では独自の規制整備が進むとの見方を示す一方、対応が遅れれば他国が主導権を握る可能性にも触れています。

中間選挙と政治との距離

米国政治については、11月の中間選挙で民主党が議会の一院を奪還した場合、トランプ大統領の親仮想通貨政策や過去の恩赦をめぐる議論が再び活発化する可能性があるとの見方を示しました。

CZ氏自身もトランプ大統領から恩赦を受けた一人であり、仮に調査や追及が行われたとしても「隠すことは何もない」と述べ、求められれば必要な情報提供に応じる考えを明らかにしています。

一方で、自身と米国政治との関係については「米国の政治からはできるだけ離れるようにしている」と語り、外国籍という立場から選挙へ深く関与することには限界があるとの認識を示しました。

実際、Coinbase(コインベース)のブライアン・アームストロング氏やRipple(リップル)のブラッド・ガーリングハウス氏など、米国の仮想通貨業界にはスーパーPAC(政治資金団体)「Fairshake(フェアシェイク)」を通じて政治活動を支えてきた経営者もいます。

外国籍には米国政治への直接的な関与が法律で認められていない一方で、CZ氏は「いまの時点で仮想通貨に否定的な人物は、おそらくかなりの票を失うだろう」と述べ、暗号資産政策が選挙結果にも影響を与えるとの見方を示しました。

CLARITY法案、成立確率50%との分析も

CZ氏は個別の法案よりも産業全体の成長を重視する考えを示した一方、米国ではCLARITY法案の審議が最終局面を迎え、年内成立に向けた与野党の調整が続いています。

上院本会議で可決するには60票の確保が必要とされており、法案成立の時期は依然として不透明な状況です。

Galaxyの分析では、CLARITY法案が年内に成立する確率は足元で50%程度まで低下しており、議会日程の制約が年内成立を左右する主な要因と指摘されています。

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Source:CoinDeskインタビュー
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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