BIS、公式統計の改ざん検出をXRPLで実証|コード公開で各国に展開へ

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この記事の要点

  • BIS、XRPLで公式統計の改ざん検出を実証
  • 主要国際機関が利用するSDMxに初の暗号検証機能

まずはXRPレジャー(XRPL)を詳しく

公式統計の検証基盤にXRPL実証

国際決済銀行(BIS)は2026年9月2日、公式統計データの改ざんを暗号技術で検出するブロックチェーン基盤のシステムを構築・実証したとするワーキングペーパーを公開しました。

実証にはXRP(エックスアールピー)の基盤であるXRPレジャー(XRPL)が使用され、SDMx(統計データ・メタデータ交換)規格で共有される経済・金融統計について、ダウンロードしたデータが発行元の公開後に変更されていないかを確認する仕組みが構築されました。

BISは要約資料で、この仕組みによってデータの公開から検証までを数秒で完了できると説明しています。

実装したソースコードはApache 2.0ライセンスのもとBIS Open TechおよびGitHubで公開されています。

暗号技術で統計データの改ざんを即時検出

AI時代に問われるSDMxの検証能力不足

今回の論文では、統計データ交換の国際標準であるSDMxに、データの出所や改ざんを暗号的に検証する機能が備わっていない点が指摘されています。

SDMxはBIS・欧州中央銀行(ECB)・国際通貨基金(IMF)・世界銀行・経済協力開発機構(OECD)など、主要な国際機関で統計データの交換に採用されています。

第三者を介して再配布されたデータについては、発行元が公開した内容から変更されているかを利用者側で暗号的に確かめる仕組みがなく、AIシステムが出所や品質を十分に確認できないデータを参照するリスクも指摘されました。

XRPLへの記録で統計の無改変を検証

こうした問題に対応するため、今回のシステムでは統計データそのものではなく、データから生成した暗号的な指紋をXRPLに記録する方式が採用されています。

SDMx形式のデータはW3C標準のXML正規化(C14N 1.1)で統一した後、SHA3-512でハッシュ化され、データ系列ごとのハッシュがMerkle木を使って1つのルートハッシュに集約されます。

集約したルートハッシュはスマートコントラクトを使わずXRPLのMemoフィールドに記録され、論文では記録時の基本手数料を10ドロップ(0.00001XRP)としています。

公開ファイルにはW3C Verifiable Credential(検証可能な資格証明)も組み込まれ、ファイルとXRPLへの1回の照会によって、公開者の身元とデータの無改変を確認する構成が採用されています。

公開3〜5秒・検証1〜2秒の高速処理

同論文によると、この方式を実装したプロトタイプでは、データの正規化からXRPLへの記録までの公開処理が中央値で3〜5秒、検証処理は1〜2秒で完了しました。

計測にはXRPLのDevNet(開発者用テストネットワーク)と合成したSDMxデータが使用されており、管理された環境で実施した概念実証の結果として報告されています。

コストモデルでは、1,000件のデータをまとめて記録した場合、1件あたりのオンチェーン手数料は約0.000000003ドルになると試算されています。

なおBISは、個別の企業やプロジェクトへの言及は説明目的であり、商業的な関係を示すものではないと論文中で付記しています。

マルチチェーン対応も見据えた拡張設計

今回提案された設計は特定のブロックチェーンに依存せず、XRPL以外のチェーンへの移行にも対応しています。

論文では、XRPLが利用できない場合やコスト面、政策上の理由から適さない場合でも、記録先を別のブロックチェーンへ変更できると説明しています。

同じルートハッシュを複数のブロックチェーンに記録する方法も示されており、過去の記録については元の台帳を参照できる限り検証を継続できるとしています。

今後は複数チェーンへの記録やクロスチェーン対応など、論文が今後の研究対象に挙げた機能について検証が進められる見通しです。

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Source:BIS論文 / 要約資料
サムネイル:AIによる生成画像

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