500年前の「冷凍ジャガイモ」をインカ遺跡で発掘

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凍結乾燥で保存食にされたジャガイモ

今回の発見があったのは、ペルー南部アカリ渓谷にあるインカ時代の遺跡「タンボ・ビエホ」です。

ここは乾燥した沿岸部に位置するインカの拠点であり、研究者たちは2024年の発掘調査中、床に据えられた陶器の壺を見つけました。

画像インカ時代の遺跡「タンボ・ビエホ」/ Credit: en.wikipedia

壺は保存用に使われていたと考えられ、その中から茶色がかった白色の小さな塊が2つ出土しました。

表面はしなびており、皮の一部がまだ付着していました。

調べたところ、それはただの植物片ではなく、アンデスで古くから作られてきた「チューニョ」と呼ばれるフリーズドライ(凍結乾燥)されたジャガイモだったのです。

同じ壺の中には、壊れたインカ土器の破片と、損傷した紡錘車も入っていました。

紡錘車とは糸を紡ぐ道具の一部です。

こうした日用品と一緒に見つかった出土状況から、研究者たちはこのチューニョがインカ時代、つまり15〜16世紀ごろのものと判断しています。

【発見されたチューニョの実際の画像がこちら

研究者は、発見の瞬間から「これは普通の発見ではない」と感じていたといいます。

その理由は、チューニョが沿岸部で作れる食品ではないからです。

チューニョを作るには、夜に霜ができるほど強く冷え込み、昼には強い日差しで解凍と乾燥が進むアンデス高地の環境が必要です。

つまり、タンボ・ビエホで見つかったチューニョは、どこかの高地で作られたあと、インカ帝国の物流網によって沿岸部まで運ばれた可能性が高いのです。

小さなジャガイモのかけらは、インカが山と海岸を結ぶ広大な食料ネットワークを持っていたことを示していました。

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